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完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)
本, チョーサー
によって チョーサー
4.1 5つ星のうち 10 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより) 花ほころび、そよ風吹きそめる四月、サザークの旅籠で出合った二九人の巡礼たち。身分も職業もさまざまな彼らが、カンタベリーへの道中、順番に話をすることになって―中世イギリス最大の詩人チョーサーの代表作。バーン=ジョーンズの挿画を収録。
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聖地カンタべリーへの巡礼のためロンドン南郊サザークの同じ宿屋に泊まり合わせた客29人と「私」と名乗る自分。ナイト、見習いナイト、坊主、粉屋、荘園の管理人、百姓、貿易商、料理人、医者、法律家、修道女、船乗り、弁護士、ショップ店員、主婦などなどが勢揃い。全員でくじを引き、順番におもしろおかしい話を披露し合えば旅の慰めになろう!という宿屋の主人のアイデアで目眩くヨモヤマ話が始まる。イントロの物語を「枠」として使うことによって、バラバラの短編群を繋いだりそれらが物語られる場の状況を語ったりする、いまでこそ市民権を得た物語技法が、かつての斬新さでいまなお異彩を放つ『カンタベリー物語』。より小さな物語を大きい物語に埋め込んだ「枠物語」として構成される本編は、『デカメロン』をレールに、当時にしては珍しく、英語で書かれたのだった。(この本のおかげで、ただのロンドン方言が英語のスタンダードになったもいわれる。)作者チョーサーは、オモシロ話や有り難い話など既存のあらゆるジャンルから素材を選び出し、それらを編集し直して全体の脈絡を整える「コンピラーティオ」というワザを駆使する。想像力を自由に操るチョーサーの姿は、既存の著作権と技術の軋轢が引用を窮屈にしている現代のわれわれをより卑屈にさせる。階級や男女を問わないカーニバル的無礼講がココにはある。現代の人間の抱える社会という名のストレスを開放する術がココにあるかもしれない。
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