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地図で見るフランスハンドブック 現代編
本, ジャック・レヴィ
によって ジャック・レヴィ
4.1 5つ星のうち 2 人の読者
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内容紹介 マーストリヒト条約批准の国民投票から今回の大統領選挙までの25年について、コロス研究所作成の地図によってフランス空間の新しい力の線が姿を見せ、深く継続的な変化が明らかになった。1992年から今日まで、70を超える地図で描くフランスの政治地理学! ◆目次◆ フランスの行政区分(地図) はじめに ◉変異するフランスの肖像 1992年、新しいフランス ◉都市周辺部と国民戦線の台頭 ◉ヨーロッパ問題 ◉ヨーロッパ各国における同様の変化 ◉スイスにおけるアイデンティティの問題 ◉アメリカでは2つの「庶民」が対立している ◉空間は位置を替える 居住の流儀 ◉家族、他人のなかからの選択 ◉人生設計の中核となる住居 ◉移動と公共の空間 ◉入学前の子どもの預け先 ◉落ちこぼれの装置のなかで ◉所得と都市度 ◉ともに生きる ◉貧しい人々は都市にいる ◉医療、先入観を超えて ◉フランスの空間における都市度 ◉自由と制約の空間 開発と正義 ◉それぞれのグループに地理学がある ◉裁定のための能力 ◉働く空間 ◉創造的(クリエイティブ)経済 ◉逆説的なフロー ◉環境問題の矛盾 ◉混乱ぶくみの国土改革 ◉ローカルから出発する ◉地域圏(レジオン)の論理 ゆれうごく世界のなかで変わるフランス ◉テロリストの温床 ◉係争と暴力 ◉空間的正義と不正義 ◉ヨーロッパ――はじまりの終わり ◉国際移動の複雑な地理学 ◉帝国と世界社会(ワールド・ソサエティ)のあいだ 進行中の革命 ◉政治の新しい風景 ◉3つの組みあわせにおける変化 ◉最大の政党 ◉第2回投票の驚くべき力学 ◉新しい正当な空間 おわりに ◉徐々に音を立てはじめた革命 付録 ◉記述し、理解し、考えるための地図 ◉用語解説 ◉参考文献 ◉執筆者、執筆協力者一覧 ■著者略歴 ジャック・レヴィ(Jacques Lévy) スイス連邦工科大学ローザンヌ校、コロス研究所を経て、現在はランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学教授、コロス・アソシエーション主宰。オンラインの学術誌「Espaces Temps.net」の共同主宰者。専門分野は、政治地理学、都市、グローバリゼーション、ヨーロッパ、空間の社会理論、社会科学の認識論、地図学。2018年に、ヴォートラン・リュッド国際地理学賞受賞。 内容(「BOOK」データベースより) 現代のフランスが一目瞭然でわかるアトラス!マーストリヒト条約批准の国民投票から今回の大統領選挙までの25年について、画期的な地図によってフランス空間の新しい力の線が姿を見せ、深く継続的な変化が明らかに。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) レヴィ,ジャック 1952年、パリ生まれ。エコール・ノルマル・シュペリウール卒。スイス連邦工科大学ローザンヌ校、コロス研究所をへて、現在は、ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学教授、コロス・アソシエーション主宰。オンラインの学術誌「EspacesTemps.net」の共同主宰者。専門分野は、政治地理学、都市、グローバリゼーション、ヨーロッパ、空間の社会理論、社会科学の認識論、地図学。科学映画の製作もおこなっている。2018年に、ヴォートラン・リュッド国際地理学賞受賞 土居/佳代子 翻訳家。青山学院大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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以下は、地図で見るフランスハンドブック 現代編に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
原書房の「地図で見る○○」のシリーズに接するのは、この「フランス」編で5冊目。このシリーズはフランスの原著の翻訳ものだが、一体「お膝元」のフランスがどのような形でとりあげられているのか、興味津々で手に取った。非常に面白い、ユニーク極まりない1冊だった。ただ、「東南アジア編」のような「誰にでもおススメ」と言える中身では無い。対象が「自国」である事も手伝い、非常に独特かつ「こだわり」の感じられる内容となっており、フランスの政治、社会、経済等に関する予備知識の無い読み手には、かなりハードルの高い書となる可能性はある。日本でもNHK-BSや、ケーブルテレビで容易に見る事の出来るフランス「F2」のニュースに定期的に接している方は、この国が「移民問題」や「黄色いベスト運動」のような、比較的他国のメディアでも多く取り上げられる事柄以外にも、多種多様な国内問題を抱えている事をご存知だろう。高齢化や、地方の過疎化に伴う社会インフラの老朽・弱体化、赤字ローカル鉄道の廃止を巡る議論など、日本と類似した問題が少なからず発生している事を見ると、身につまされるものがある。そうしたフランスの国内問題に関する知識や関心をお持ちの読者には、なおさら本書の内容は興味深いものが多いと思われる。尚、本書に載っているフランスの地図の多くは、よくある「行政区分に基づいて線を引き、その区分ごとに模様や色を変えて表現する」という形では無く、「カルトグラム」という技法が用いられており、その意義と狙いについては巻末のP.170で述べられているが、読者によっては、この技法で描かれた地図から読み取るべき「情報」「意味合い」を理解できるまでに、やや時間を要するかもしれない。また、本文にもフランス人らしい一種シニカルな表現や「自虐ネタ」的な表現も頻出するので、いわゆる学術書的な書き方に慣れ親しんだ方は、ひょっとしたら面喰う部分もあるかもしれない。本書を読み進むと、この国で起こっている様々な問題や現象が、例えば「都会VS地方」というような単純な図式だけで語る事が可能な事柄ばかりでは無いのに気付く。巻頭の「はじめに」に、その事が端的に書かれているので、引用したい。「貧困がもっとも多いのは、もっとも少ないと予想されていた都市だった。『さびれた町』には、スーパーマーケットやソーシャルサービス、理容店、薬局あるいはレストランがよくそなわっていることがわかった。公的資金の再配分を享受している地域が、つねにそれをもっとも必要としているというわけではなかった」(P.7)この「はじめに」で述べられている事に関する「裏付け」が本編では展開されていくのだが、そこに通底しているのは、「わかりやすい結論」として世間に流布している「単純化された『わかりやすい』図式」を妄信してしまう事への警告であり、それを「補強」するためにフランス以外の事例までとりあげられているのは面白すぎる。2016年の米国の大統領選に関して「誰がトランプに投票したのか?」を分析した部分を読めば(P.26~)、「ラストベルトの有権者がこぞってトランプに投票した」という種の「わかりやすい」解説が、実は「誤り」であるという事実に触れて驚く読者も少なく無いだろう。一方、フランスと「外国」との関係に関しては、対EUの問題も含めて極めて限られた記述しか無いので、「世界の中のフランス」「フランスの対外関係」等に関して理解を深めたい読者には物足りなさを感じさせる可能性はある。本書は、「地図で見る○○」シリーズの他の巻に比べても、極めて「オタク的」とすら形容出来る独特な切り口の感じられる書なので、(繰り返しになってしまうが)「誰にでもお薦め」と言えるオーソドックスな内容では無い。ただ、フランスを含めた「先進国」と呼ばれる国が抱えている共通の課題を極めてユニークな手法で炙り出した1冊とも思えるので、決して看過出来ない逸品であるのも確かだ。
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