オキの魔力―魔力シリーズ〈1〉 (囲碁文庫)

この本を含め、このシリーズ（全5冊）は究極の死活問題集ではなかろうか。変な複雑さはないし、意図して作りこんだ感じもしない。また、死活の手筋を本のサブ・タイトルとして表記しているにもかかわらず、ひょっとしてその他の手段で殺せないかと考えてしまう。そこが、なかなか憎いつくりになっている。迷わず、最初からこのシリーズを解いていればよかったと思うことになるだろう。しかし、死活問題集に限れば、それもずいぶん回り道をした後だからわかることなのかもしれない。囲碁文庫で、”基本死活・虎の巻”とこのシリーズ5冊を制覇できれば、もう他の問題集は必要ないだろう。五段程度の棋力は十分あるだろう。この本に30年前に出会えていればと思う。