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白い僧院の殺人 (1977年) (創元推理文庫)
本, カーター・ディクスン
によって カーター・ディクスン
3.7 5つ星のうち 16 人の読者
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周囲に雪が積もった建物の中で死体が発見されるが、犯人が逃走の際につけたはずの足跡が存在しないというパターンのいわゆる“雪の密室”は、推理小説の中でもかなり多用されており、本作がオリジナルというわけでもありません。しかし、“白い僧院”という語句が“雪の密室”の代名詞として使われるくらい、この分野における本作の存在感は群を抜いています。発表から70年も経ってから読むと、さすがにトリックはシンプル過ぎて物足りなく感じられる面もありますが、その分“雪の密室”が構成された事情に不自然さがなく、かつ謎として魅力的であるという、極めて両立の難しい2つの価値が見事に両立しています。カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の殆どの作品と同じく本作もイギリスが舞台ですが、ハリウッド女優や映画監督がイギリスを訪問するという趣向によって、ややアメリカ的な色が導入されているのが面白いと感じました。エラリー・クイーンのハリウッド・シリーズを想起させ、彼が本来アメリカ人であるということを思い出させてくれます。また、本作では得意の怪奇趣味が排除されていますが、本作のスッキリしたトリックにはそれがよく合っています。彼は単に怪奇趣味が好きだから導入しているわけではなく、ちゃんと小説上の効果を考えて使っているのだということに気づかされました。
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